愛想笑い教育講座

諸事情によりブログ名変更。23歳Gカップの美女だと思って読んでください

再現VTRはやめてくれ

僕はテレビの再現VTRたるものに弱い。
あれを見ると体中が火照りを覚え、こっぱずかしさで頭から布団をかぶりたくなるのだ。
どんなに偉人の役を務めようと、凶悪な犯罪者を演じようと、その実、日雇いでその日暮らしをする、零細芸能事務所所属のタレントであることを想像してしまうからだ。

但し、あくまでもこれは自らの下賤な考察と、的外れな想像に自分の首を絞めているよ。というお話であり、再現VTRの役者を蔑む意図はないことを理解してほしい。

だから例えば再現VTR内でお金を大量に寄付しているシーンだとか、お金を粗末に扱っているシーンなんかを見てしまうと、

「あぁ、この人たちにとって喉から手が出るほど欲しいお金だろうになぁ」

などと想像してしまい、冷めた感情に侵されてしまう。

「カット!」の声とともにいからせた肩をダランとおろし、相部屋の楽屋へと向かう
高飛車に手元を従えて闊歩する老獪の名将軍も、テレビのフレームから出てしまえばアルバイトをしながら妻と一人息子の生活を支えている。
唯一のご褒美はテレビ出演が決まった日の帰り道に、最寄りのファミリーマートで買うストロングゼロなのだ。
くしゃくしゃの給与明細には総支給額"7万"と都内ではとてもやっていけない給料。
妻の顔の皺ももう増えるところがなくなり、あとは深さを刻むのみといったような歳。
散々苦労をかけたな、日夜のクリーニング工場のお勤めも本当に体にこたえているだろう。
これがこの前の現場のように「ハッハッハッ!金か、欲しけりゃくれてやろうぞ!!」と札束でケツを拭ってポイとやるような生活ができていたら、どんなもんだったのだろうか。
はぁ、煙草も値上がり値上がり、灰皿に落ちたわかばの吸い殻はどれもフィルターまで焼け焦げている。
きっと僕の心も同じ。
役者を目指して火のついた心は、もう燃えちゃいけないはずの有毒なところまで焦げ付いてきた。
いっそ、いっそ、僕なんて・・・

ここまで想像してはもうダメ。
空想上の真っ黒な煙草のフィルター、真っ赤な家計簿は僕の感情移入を阻害し、僕のメンタルの真皮をバカスカ破ってくる。
頭の中に浮かんだこの煙草のようにはなるまいと、僕はアイコスを吸いました。

アイコスにすればにおいも少ないし、フィルターは焦げ付かないよ。

まずいから二度と吸わないけど。