愛想笑い教育講座

諸事情によりブログ名変更。23歳Gカップの美女だと思って読んでください

ゆらゆら帝国を好きな男の子になりたかった

春、教室窓際の中列に耳にイヤホンをブッ差して机に突っ伏す男が一人。
うつろ気な表情は怠惰な日常に嫌気がさし、鬱屈した感情が渦を巻いていることを示していた。
ギャーギャー騒ぐ同級生にしり目もくれず、およそ休み時間の喧騒に似つかわしくないノイズバンドのシャカシャカが、誰の耳にもとどまることなくただそこに浮かぶ。
そして実家である電気屋の2階の自室にこもって夜半に頭脳警察を大音量で流して、弾けもしないsquierのストラトキャスターで当てふりするのだ。
別段、大槻ケンヂのパロディ小説を書こうってわけじゃない。

僕は本気でこうなりたかった。
形容しがたい各方面への怒りをはらんで悩みつくす青春を送りたかったと悩んでいるのだ。
ないものねだりの堂々巡り。
終わりかけの青春時代にその事実に気づいたけれど、慌てて聞いたハナタラシもばちかぶりも結局僕の味方をしなかったし、
太宰治の小説も中島らものコラムも、ある第3者の人生を懇切丁寧に描写してくれただけで、僕を投影してくれることはなかった。
結局何者にもなれない僕は幽霊のように青春時代を探している。

やや堅めの父はきっと己の人生に反旗を翻し始めた次男に憂いを抱くだろうが、ナンノソノ。
ワハハ、杞憂に終わらせてやろう。
わしゃ退職して机の上に突っ伏して、イヤホン耳にぶっ差してゆらゆら帝国で考え中じゃい!!
貴様らは尻の穴にディルドでもぶっ差して千の風にでもなってろ!
あばよお前ら!