愛想笑い教育講座

諸事情によりブログ名変更。23歳Gカップの美女だと思って読んでください

泣き顔をみたい女

"暑さ寒さも彼岸まで"という古い慣用句があるが、どうも気象庁によるとこの慣用句の意味することは概ね的を射ているらしいのだが、先週から気温は低調気味であり、蝉は泣き止み、逃げ水は逃げ切って、長袖を手放すことができなくなってきている。
彼岸まで続かぬ暑さは夏との別れを意味し、この夏は厳しい残暑を以て僕らを苛ますこともなく、スッキリと秋へとバトンを渡すのだ。
果たして今夏の酷暑に因果があるのかは不明であるが、平成最後の夏と銘打たれた今年の夏は実に短命だった。

 

そしてその太く短く生きた潔い夏に行われた今年の甲子園は、開催第100回目を記念する大会であり、公立高校である秋田県金足農業高校が決勝に進出した。第1回大会ぶりの同県決勝進出に各種メディアがそのシンデレラストーリーを取り上げ、大騒ぎしていたことは記憶に新しい。
しかしながら、金足農業高校は決勝でスター軍団大阪桐蔭高校に大差で敗れ去った。決してビビデバビデブゥなどではなく実力でのし上がったきた彼らも、最後の一段で履きなれなかったガラスの靴が脱げてしまったのだ。この金足旋風を煽りつづけた挙句の決勝での大敗に、あたかも桐蔭高校が勝ってしまったことが不満であるかのように報じるメディアには些か遺憾に思わざるを得なかった。努力してきたのはどちらも同じなのに。殊大衆メディアにおいて、押し付けがましい主観だとか、決めつけるコメントや煽動的な報道が含まれていることはいつも残念に思う。民法のバラエティはくだらないとかよく言うが、いっそのことくだらないバラエティと多少のドキュメントだけやっていてほしい。

 

と、まぁのっけから焦点がぶれているのだが、あの甲子園での敗戦後に土を集めている選手の泣き顔を、地面に這いつくばりながらカメラで捉えようとしている報道陣をみると、いつも広戸まゆを思い出すのだ。
青森県むつ市立第2田名部小学校に通っていた広戸まゆさん、お元気ですか?

 

広戸まゆはとても元気で真面目で優しい女の子だった。
真面目に合唱しなければ「ちょっと男子ちゃんとやって!先生に言うよ!」であるし、ガラスが割れれば「みんな危ないから近寄らないで」と言いつつ自分は率先してガラスを拾い集める、正義感の強い女の子だったのだ。
そして力が強かった。
一度取っ組み合いの喧嘩をしたときに、ペットボトルの底で殴打され、泣きじゃくったことがある。
強い人は、優しい。

 

優しい広戸まゆは誰かが俯いて泣いていると、いの一番に駆け寄って慰め、原因の究明に努め、必要であれば先生に報告・連絡・相談した。リアルほうれん草マンなのだ。
そして掌底をヒグヒグと泣いている子のおでこに押し当て、無理やりに顔を押し上げようとする。
どんなに拒んで俯き続けようとしても、最終的に広戸まゆは顔を押し上げてしまう。
どういうわけか、泣き顔をみようとするのだ。
小学校3年生の時、マラソン大会の結果が芳しくなくて大泣きしたことがあったが、やっぱりどこからともなく駆け付けた広戸まゆが、掌底でおでこをグイっとやって泣き顔を捉えられてしまった。

 

広戸まゆ、今どうしてんのかな。
あの泣き顔を捉えたいという根性でカメラマンにでもなっているかと思ったけど、甲子園中継には映っていなかったね。まぁあの掌底でグイっとやるやり方だと2ちゃんねるで叩かれそうだしね。
でもやっぱり、彼女の事件を嗅ぎ付ける勘と正義感はすごかったから、警察官にでもなっているのかな。
それとも青年海外協力隊でコーヒー農園の貧困問題でも解決しようとしてるのかな。
「ここは私に任せて!」なんつってな。

 

女にフラれて号泣したときも、試合に負けて泣いたときも、先日僕がピーピー泣いていた時も駆け付けてくれるようなことはなかったけど、元気でやっていますか?