愛想笑い教育講座

諸事情によりブログ名変更。23歳Gカップの美女だと思って読んでください

2012年夏左利きの女の子

せっかく友人のいないはてなブログに来たのだから書いてしまえと思い立ち書きなぐる。おふざけなしに気持ち悪い過去のことを書いているので読まなくてもいいですよ。
 
順風満帆に元気の押し売りをしていた僕の持ち前の元気に陰りが見えたのは2012年の夏のこと。バイト先の4歳下の黒髪ボブで左利きの女の子を本気で好きになってから。トトロみたいに歯をかみ合わせたままニッと口角を上げて笑う笑い方が好きでいつのまにか完全に惚れていた。へーバンドやってるんだ、なんていうバンドなの。とかなんとか会話を紡ぎながらやっとデートにこぎつけて夏の日にバイクで藻岩山に登って告白、手をつないでバイクまで戻って僕のアパートに帰る。私でいいんですかという彼女はホントは一人称は自分の名前だし、手をつなぐことが好きではなかったことも、当時18歳にして経験人数が10人を超えていたことも全く知らなかった。家に着いたら、タバコ吸っていいですか。と聞かれていいよと答えた。僕は喫煙者ではなかったから蚊取り線香の皿を渡してあげた。ベランダを向いて家の前の公園をボーっと見つめながら、以前拾ってきたオフィスチェアに体育座りしてタバコを吸っていた。キャスターマイルドというタバコはバニラの香りを以て部屋に立ち込めた。あの匂いが大好きだったし、左利きの女の子がタバコを吸う姿が好きだった。それがすべての始まりだったのだけど。
バンドマンは男が多いコミュニティだったけど、元々束縛しないタイプだからアパートに来ない日が続いても放任していた。今日あそぼうよ、今日は無理だよとか今から行くね、なんて、アポを取るためのメールはよくしていたけど、雑談のメールはしない(こない)のでどこでなにをしているのかがわからなかった。僕が束縛しなくなったのはやはり苦い思い出なのだが中学の時にあまりにも重すぎることが理由でフラれたから。だからホントはもっとしつこく誘いたかったけどもその時には既に左利きの女の子がフワフワしていて握られることを嫌う羽のような人だということが分かっていたから、とりあえずいつアポなしで来てもいいように電気はつけてアパートの鍵もあけて落書帳に書置きして灰皿はきれいにしておいた。それから生理の時のためにロキソニンを大量にかっておいてあった。ごめんね、ごはんだけはつくれなかった。だから一緒に寝た次の日の朝は、寝起きの悪い左利きの女の子をおこさないようにそっと出て近くのパン屋にサンドイッチを買いに行っていたのだ。
バンドの練習を昼にしてバイトを夜勤にするとその両方に近い僕のアパートには寝に来るだけというようなことがたくさんあって、やっぱりそのたびにセックスをしていたらある日ドロドロに酔った日にどうせやりたいだけなんだろと言われて涙が出た。なんて返したかは覚えていないけど、結局月並みなことしか言えなくて左利きの女の子の胸には届かなかったんだろう。そのころからフラれる予感におびえてお酒を飲むたびに泣いていたし、そばにいない時でも寂しくないように僕もキャスターマイルドを吸うようになった。匂いはするのに抱きしめることができなくて余計寂しくなった。
3月26日のAM2時に僕のアパートに突然やってきて、寝ていた僕のベッドに両腕を乗せて指先を組んで手の甲の上に顎を乗せて僕の顔をじっと見つめていた。その時もいつくるかなと緊張していたから、ドアノブをひねる音で目が覚めたのだけれど少し寝たふりをしていた。顔を見つめているのはわかっていたのだけれど、こらえきれずに笑ってしまったら左利きの女の子もトトロの笑顔でニッと音を立てずに笑った。そこで初めて顔を見てみたら悲しい目をしていた。とっさに一緒に寝よといってみたけど、左利きの女の子は別れよといった。間に合わなかった。どうしてときいたら、はやしくんのこと大切にしたいと思うほど好きではなくなったと言われた。僕はいやだいやだと大泣きをしたけど、じっと僕の手を握る左利きの女の子は悲しい目をしたままだった。
最後にお別れのハグをしたときに堰を切ったように泣き始めた左利きの女の子は振り向かないで玄関を出て行った。最近読んだブログの言葉を勝手に引用してしまうけど、一生懸命な僕と左利きの女の子ではやっていけなかった。勝手に永遠をささげた僕はいつのまにか自爆していたのかもしれない。
ある日のはやしくんダメになっちゃいそうだようというメールを皮切りにしばらくは定期的に会ってセックスはしていたのだけれど、結局またやりなおしたいの僕の言葉にセックスってなんとなく愛っぽい行為だからダメなんだよ。はやしくんはいい子なんだから別な人を見つけな、バンドマンはやめたほうがいい。といって左利きの女の子は東京に行ってしまった。僕はそのなんとなく愛っぽいものを感じれるからせめて会っている間だけはと思っていたのに。
2年後に千葉の実家に帰った時に左利きの女の子と一緒に飲んだ。彼氏ができたみたいだからセックスはしなかった。僕と別れた後に、バイト先で僕も左利きの女の子も仲良かった人と一度セックスをしたと言われたときに、どういう気持ちでいればいいのかわからなくなって、べろべろに酔っぱらって阿佐ヶ谷の駅で寝た。しかもさ、そのまたしばらくあとに飲みに誘われたときに、ハッピーハッピーで飲みに向かったのにその男もいて、僕だけめちゃくちゃ暗い気分で飲んだこともある。性病になったと聞かされて、一万円を渡して走って帰ったことも全部昔の話なのに全然忘れたくない。
東京に行ってから一度新曲を聞いてと送ってくれたことがあって、毎日聞くよと岩井俊二花とアリスみたいな答えをしたことがある。いまはもう毎日聞くことはないけれど付き合っていたときから6年たった今も未だに僕はキャスターマイルドを吸っているし、何度か彼女もできたけど一番会いたいのはいつだって左利きの女の子。でもやっぱり左利きの女の子が吸っていた時のあのタバコの匂いが好きだな~